20代介護⑨

母が倒れてからは医者に毎日症状について聞いていました。
2週間経ち医者に言われたのは
「右麻痺で失語症。今後回復しても良くて車いす乗れるかどうかでしょう」
と言われました。
その話を聞きながら涙が止まりませんでした。
すぐには切り替えられません、その言葉も信じたくありません。
もう一生母の歩く姿は見れず、そして話すことも出来ない。
そして常に誰かいなくては生きていけなくなってしまった。
改めて医者からそういわれたときに病院の待合室の所の椅子に座り力が入りませんでした。
ただ慰めてくれる人、助けてくれる人、誰もいません。
自分でやるしかない。
心は悲しみでいっぱいですが次に母の今後の計画を考えなくてはいけませんでした。
医者にまず
「ソーシャルワーカーと話してください」
と言われてました。このソーシャルワーカーは病院の相談員みたいな人です。
この人とアポを取って話をすると
「まず脳梗塞の場合発症から2か月以内にリハビリの専門病院に行く事を進める。
なぜなら2か月経ってしまうとリハビリの専門病院にはもういけなくなってしまうから」
と言われました。
この母が入院している病院には
・理学療法士(体の機能を動かす事がメイン)
・作業療法士(生活していくための機能の向上)
しかいなく、
言語聴覚士(言語のリハビリ専門)はいないからでした。
母は言葉を一言も発声出来なくなっていたのでこのリハビリは受けさせたかったのです。
ただ母は心臓が悪く不整脈を起こしやすくなっており、危険な状態でした。
私の希望としては心臓の治療をしつつ、リハビリをしっかりやってくれるところ。
この2つをしっかりやってくれる所が希望です。
このソーシャルワーカーに
「どこかそういう所ありますか?」
と聞くと
「リハビリのみならあるが心臓とリハビリの両方を見てくれる所となるとない」
と言われました。
この時の母は起き上がることも飲み物を飲むことも出来ない状態です。
リハビリよりも絶対安静が必要な状態でした。
このソーシャルワーカーにも色々と質問したのですが
単刀直入に言うとかなり使えませんでした。
もし自分がソーシャルワーカーで、プロを目指しているのなら私みたいなケースの人に病院の選択肢の情報をしっかり渡します。
こいつは(怒りがこみあげてきてます)
「ご自分で探してください。みなさんそうしてるんですよね」
と言いました。
このあと色々自分で調べましたがこいつの言っている知識は本当に浅いものでした。
この時は自分の気持ちがかなり弱っていいた為突っ込んで情報を聞き出す力がありませんでした。
本当だったら事前に情報を把握して
「私はこれだけの情報を既に持っています、なのであなたはソーシャルワーカーといった仕事のプロですよね。
当たり前の事や少し役所や病院に行けばわかる情報はいりません。
そんなのは誰でもできる事ですから。
あなたにプロと言う意識があり、この仕事にプライドを持っているのならあなたしかわからない情報を手にしてきてください。
明日か明後日までは私も待ちます。
そして今わからないようでしたら私が納得できる状況まで調べたという成果を見せてください。
その結果なければ仕方ないです。
これはあなたが仕事に対してどういう意気込みでやっているかもその時点でわかりますから。
あなたは仕事に対して誇りを持っていらっしゃいますよね?」
少し嫌な奴にはこんな感じに笑顔で最近よく話します。
ただ基本給貰っている人にこれやるとほぼ失敗します。
そこまでの仕事に対しての意欲がないんでしょう。
わけのわからない言い訳してくる人には
「今後私の前に二度と顔を表さないでください」
と言ってました。
これは嫌な人にやるだけであって母が倒れてから関係した人は7、8割は心の優しいいい人でした。
ただどこにも5%から10%は嫌な人がいます。
役所、看護士、病院などはずれに何回も当たり嫌な思い一杯しました。
そのたびにかなり文句言ってへこませてきました。
怒りがパワーなのです。
前も言いましたが落ち込むより怒った方が良いです。
鬱にならないでしょうしね。
ただ人間関係はどんどんなくなりますので注意(笑)
逆に良い方はこちらが知らなそうなことを親切心で教えてくれます。
そういう時は後で思い出して本当に感謝でした。
病院や役所、銀行、保険会社の言う事は鵜呑みにしないでください。
大変ですが自分で調べなくてはいけないことが多いです。

この後病院を調べて10箇所ぐらい探しました。
リハビリ専門の所は
「母の心臓に問題があると受けいれることが出来ない」
全てこの答えでした。いろいろと調べていくうちにリハビリと心臓の全てを兼ね備えているところは近くにはありませんでした。
2時間ぐらい車でかかるところにはあったのですがそうすると今後私がいけなくなってしまいます。
結局今の病院で心臓との兼ね合いを見ながらリハビリできるようになるまで待つという結論になりました。
心は痛かったです、
自分の選択が母の今後にかかわってくるので。
なので本当に調べつくしました。
この病院の判断は非常に辛かったです。
現実的には母がリハビリを始めることが出来たのは3か月目からでした。
ただ国の規定でリハビリの期間は発症から180日までです。
医者に相談して
「入院期間が半年超えても追い出すことはしない」
と担当医から言質をもらいました。
この時の自分の判断は良かったと思ってます。
担当医の方も心優しい人でした。
結局母の入院期間は8か月に及びます。
ケアマネージャーや他の人に話聞くと
「病院を追い出されてしまう人が多い」
と聞いていたのでそこのところは病院から一切言われませんでした。
しかし半年以上入院すると
「医療費の15%は自己負担が必要になる」
と半年たった時に病院の事務から突然言われました。
この金額は自己負担の15%ではなく、正規料金の15%です。
この時も
「話聞いてない、なぜ先に言わない?
すぐに対応できるわけないだろう?
いきなりそんなこと言われてあなたの立場だったらどうする?
払う気はない」
などこの時も怒り一杯です。
ただこの国の規定は重症者には当てはまらないとの事でした。
母は症状重かったので
「申請すればたぶん大丈夫だと思います、、、、」
といわれたのですが
「請求来ても私は払いません」
といってあります。請求が今の時点で来てないので申請が通ったのでしょう。
入院期間が半年以上になるとこんな話もも出てきますので注意が必要。
どこも先に説明してくれる人はほとんどいなかった。
私の経験上の話です。

リハビリは医療の規定で1日3時間までと決まってます。
2か月過ぎるとリハビリ専門の病院に行けなくなるので辛いと思いますが脳梗塞発症してしまい急性期過ぎたらすぐに探した方が良いです。
空きの関係もありすべてがうまくいかないと思いますがギリギリのタイミングに言われてから探し始めると自分で納得できないまま選ばなくてはいけないと思うので。
私は結果としてこの病院でよくない事もありましたが良かったと思う事も多かったです。
理由は母の周りの医者、看護婦、リハビリの先生。
皆さん心の温かい人が多かったです。
心が常に荒れていた私としてはそこは本当に救いでした。
嫌な人とは話さない。疲れるだけなので。
心が荒れる場面多いので出来るだけいい人に囲まれるようにすることは大きなポイントだと思います。