20代介護⑭

母が入院してから1月ぐらいたった。
ずっと苦しそうだったのでレントゲンとって調べてみると肺にタンがたまっていたとの事。
普通の人なら咳をすることですぐに吐き出せるのだが母は咳が出来ずに溜まってしまったらしい。
肺に注射器を刺して取り除くと苦しそうな表情が
なくなった。
(医者からこの話聞いたときに肺に注射して大丈夫なのか?
と思ったがそんなに難しい事ではないらしい。
形式上はは手術だった)
このころになると私が病院に行ってもおきてる時間が多くなり自分の顔を見ると笑顔が出るようになった。
(先の事はすごい不安だがこの笑顔をみると少しホッとする)
トイレには自分でいけない為常にオムツ状態。
時々うんちをしてるみたいで匂いがするがそれは仕方のない事だと思った。
食事はやっと少し飲み物が呑み込めるようになりウイダーインゼリーのようなものが食事。
後は点滴での栄養補給。
ずっと同じ姿勢で寝ているため床ずれがおきてしまい、軟膏を腰の辺りに看護士さんが縫ってくれていた。
そして怖いのが母の右手と右足。
左手、左足と比べてすごい太くなってしまっている。
医者に聞くと
「動かしていないと硬直してしまい膨らんでしまう」
との事。
呼吸はやっと落ち着いてきたので医者と相談してリハビリを始めることに。
1日1回20分ぐらいリハビリの先生が病室にきて右手、右足をマッサージするように動かす訓練が始まった。
母の状態と今後どこまでよくなるかをリハビリの人と
話をした。
「正直に言ってくれ」
とお願いしたうえで。
リハビリ先生「今の状態は右手右足ともに反応が全くないです。
本当は毎日リハビリを長くやりたいのですが心臓の事もあり医者の先生とも相談しながらやっていかなくてはいけません。
後は今は寝たきりの状態で少し起こすと苦しそうな表情をします。
なので今後よくなったとしても絶対という事は言えませんが車いすに乗って生活できるぐらいになれればいいと思います。」
その話を聞いてまた涙が止まらなくなってしまいました。
倒れてからは
「命が助かってほしい」
と心から思ってました。
そして状態も落ち着いてきてので今後の事を考えなくてはいけないタイミングになります。
人間希望がなくては生きていけません。
ただ母は言葉もしゃべれず良くなったとしても車いすで誰かに押してもらわないといけない。
日常生活当たり前に出来ていたことが50歳ちょっとで出来なくなる。
母は今後何を希望に生きていけばいいんだろう?
そう思うと涙が止まりませんでした。
そして今後の自分の生活の変化。
なんとなくこういわれることは覚悟していたつもりでしたが、やはりかなりきついものがありました。
リハビリは今後少しずつレベルアップしていくようにしていくそうです。
まずは右手、右足を固まらないようにほぐす。
それから最初の目標としてベッドの角度を90度ぐらいにしても大丈夫なようにする。
私としては昔の状態に戻ってほしいです。
ただそれはもうかなわない願いでした。
リハビリは少しずつ始まっていきます。
近くで見ているともどかしい気持ちになることが多かったです。
ただこれが今の最善の方法なのでしょう。
リハビリできる期間は発症から180日までと聞いていました。
その時にどのような状態になっているのか?
考えてもわかりません。リハビリの先生に聞いても
「ケースバイケースで、良くなる方もいれば、そんなに
状態変わらない人もいる」
と言います。
自分で調べてもやはりそのようでした。
自分が出来ることは母に会いに行き孤独な気分を出来るだけ和らげてあげ、右手、右足をほぐしてあげる事。
そして母の前では優しく笑顔でいる事。
そしてそれをずっと続ける事。
これが母に会う時に自分が出来る最善の方法だと思いました。